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宇宙戦艦ヤマト 完結編
監督 勝間田具治西崎義展
脚本 山本英明笠原和夫山本暎一舛田利雄西崎義展
製作 東映動画株式会社
製作総指揮 西崎義展
音楽 宮川泰羽田健太郎
主題歌 「古代(おれ)とヤマト」(ささきいさお
「ラブ・シュープリーム〜至上の愛〜」(八神純子
撮影 清水政夫
編集 千蔵豊
配給 東映株式会社
公開 1983年3月19日(35mm版)
1983年11月5日(70mm版)
1985年8月10日(特別篇)
上映時間 150分
製作国 Flag of Japan 日本
言語 日本語
興行収入 17.2億円
前作 ヤマトよ永遠に
次作 宇宙戦艦ヤマト 復活篇
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キネマ旬報
  

宇宙戦艦ヤマト 完結編』(うちゅうせんかんヤマト かんけつへん)は、1983年公開の劇場用アニメ映画作品。

通称「完結編」「ヤマト完結編」

概要 編集

宇宙戦艦ヤマトシリーズの最終作品として製作された[1]

ストーリー 編集

テンプレート:ネタバレ 西暦2203年、銀河系中心部の宇宙で大きな異変が生じた。異次元断層から別の銀河が現れ、核恒星系付近で銀河系同士の衝突が起こり、多くの星々が消滅した。古代進は宇宙戦艦ヤマトの艦長として地球防衛軍の命を受け調査に向かった。かつての盟友デスラー率いるガルマン・ガミラス帝国は壊滅的な被害を受けていた。

そんな中、その異次元断層から恒星間空間を回遊する水惑星「アクエリアス」が現れ、ディンギル星を水没させる。ヤマトはディンギル星から一人の少年を救った後地球に向かうが、ディンギル帝国の艦隊の攻撃にあい、航行不能となる。しかし、落下中の衝撃で自動操縦システムが働き、ヤマトは負傷した乗組員を乗せたまま地球へ向かう。

地球は帰還したヤマトの情報から水惑星の存在を確認。接近してくる水惑星を避けるために各惑星やスペースコロニーへの避難を開始したが、ディンギル艦隊の巧みな戦術とハイパー放射ミサイルの攻撃の前に避難船団や地球艦隊は全滅していき、地球は封鎖されていく。ディンギルの長ルガール神官大総統は新たな移住先として地球を目指していた。そして地球に移住するためにディンギル人の取った方法とは、自らの星を水没させた水惑星「アクエリアス」を人工的にワープさせることで、同じく地球を水没させて地球人類を絶滅させた後に移住するというもの。

帰還したヤマトから奇跡的に救出された古代進は恋人森雪の懸命の看護で一命を取り留めたが、自分の判断ミスにより多くの乗組員の命を犠牲にしたと艦長を辞任する。その頃、ルガール2世率いる艦隊は地球艦隊を撃滅し、一歩一歩地球に向かっていた。これに対抗するのは、もはやヤマトしかなかった。古代もヤマトに乗り込もうとするが、自身が艦長を辞任したことで躊躇する。しかし、ヤマトの第一艦橋で聞いた初代艦長沖田十三の声にヤマトに乗り組む決意をする。

ヤマトの船出の日、地球防衛軍長官より驚愕の発表がされた。ヤマトの艦長が沖田十三であることを。沖田はイスカンダルへの航海の途中、ヤマトの艦医佐渡酒造の診断で死亡とされたが脳死には至っておらず、ヤマトのために戻ってきた。よみがえった沖田のもと、全地球の祈りを受けヤマトは発進した。

テンプレート:ネタバレ終了

スタッフ 編集

主題歌・挿入歌 編集

主題歌 編集

  • 「古代(おれ)とヤマト」作詞:阿久悠/作曲:宮川泰/歌:ささきいさお
  • 「ラブ・シュープリーム〜至上の愛〜」作詞・作曲・歌:八神純子/編曲:宮川泰
    • 八神のアルバム「LONELY GIRL」(1983年2月21日発売)収録のもの(編曲:瀬尾一三)とは一部歌詞とアレンジが相互に異なるバージョンとなっている。

挿入歌 編集

  • 「明日に架ける虹」作詞:阿久悠/作曲:井上大輔/編曲:トランザム/歌:トランザム、桑江知子
  • 「宇宙戦艦ヤマト'83」作詞:阿久悠/作曲/宮川泰/歌:ささきいさお ※70mm版では未使用。
  • 「二つの愛」作詞:クニ河内/作曲:井上大輔/編曲:宮川泰/歌:桑江知子

宣伝コピー 編集

宇宙にひろがる永遠のロマン!ファイナル・ヤマトの熱い感動を―

いま、あなたに伝えたい…

公開 編集

テンプレート:出典の明記 1982年夏に公開予定[2]だったが、製作作業の遅れから1983年3月19日に延期、さらに一部劇場では19日にフィルムが届かず翌20日からの公開となったところがある(最終の絵の完成は、3月18日の午前0時だったといわれる)。

35mm版と70mm版 編集

本作品は、35mm版の初回上映版と70mm版の完全版が存在する。これは当初予定の70mm撮影と6チャンネルステレオでの録音が完全に間に合わなかったことによる。

35mm版 編集

初日の公開時には、古代進と森雪のラブシーンとエンドロールの間に宇宙空間の中のアクエリアスのシーンが存在したが、その日のうちに急遽そのシーンを丸々カットする修正作業が行われたため、以後は上映時間が2分間ほど短くなっている。アクエリアスのシーンへ移る際のラブシーンの留めの絵の作成が間に合わず、シーンがうまくつながらない判断したとためと、公開後に発売された書籍ロマンアルバム「宇宙戦艦ヤマト完結編」内にてプロデューサーが語っている。

初回公開版でのEDは挿入歌「宇宙戦艦ヤマト'83」に乗せて『宇宙戦艦ヤマト(劇場版)』、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』、『ヤマトよ永遠に』のハイライトが過去を振り返っていく形で流れた。

大幅にカットし、『オーディーン 光子帆船スターライト』の公開時に一部の劇場で併映された特別篇(ヤマトが艦首を持ち上げた後、アクエリアスからの水柱でできた海へ沈むところで終了する)も存在する。

2008年の時点で、35mm版のビデオ(VAP版)及びレーザーディスク(前述のアクエリアスのシーンは、カットされた後の状態で収録されている)を入手するのは困難だが、2枚組みのCD「宇宙戦艦ヤマト 完結編(ドラマ編)」では35mm版の音源を使用しており、音声だけならそちらで確認できる。宇宙空間の中のアクエリアスのシーンはDVDの特典映像として収録されている。

70mm版 編集

欠番カットの復活他、選曲のタイミング等にかなり手が入っている(映像と音楽のタイミングを極力一致させるため、細かい部分の映像の新規追加や削除、音楽そのものの編集などが行われている)。一方で古代と雪のラブシーンはカットされた(DVDでは映像特典として収録されている)。

また、ニュートリノビームや水柱のシーン等でスキャニメイト効果がかなりの量で取り入れられており、画質はかなり荒くなってしまっているもののかなりの効果を上げている。西崎プロデューサーの「ヤマトはアニメ技術の先端でありたい」という言葉の現れともいえ、CG技術が無かった時代の最先端技術が駆使されていると言っても良い。

制作 編集

スタッフの本作に対する意気込みは凄まじく、製作に携わった人数も尋常ではない。

本作が公開された、1983年春は『うる星やつら オンリー・ユー』、『幻魔大戦』、『クラッシャージョウ』と長編アニメーションの公開が重なり、掛け持ち状態の主要スタッフが多かった。

作画監督である金田伊功は「野田(卓雄)さんへの義理がある」との事から、ほとんど幻魔大戦にかかりっきりとなり、原画自体はヤマト発進シーン、自沈シーン等数カットに留まる。

安彦良和は、「最後だから数カット位参加しても」と言っていたといわれる[3]が、実現はしなかった。冒頭シーンでの第一艦橋のシーンでわずかに湖川友謙の原画カットがある。

高橋信也は高沢孫一の名義で、『うる星やつら』と掛け持ちで参加している。

志願して、ルガール総統関連の殆どを手がけた二宮常雄や、水関連を手がけた角田紘一等作画レベルは比較的高い反面、メカニック描写に関してはキャラクター描写に比べ徹底さを欠いている部分も見受けられる。ハイパー放射ミサイル以外のミサイル兵器は透過光で誤魔化す(冒頭のヤマトの迎撃ミサイルでさえ、射出シーン以外は青色の光線で表現)、ガトリング砲の回転描写や水雷艇の発進プロセスなどの設定が表現されていない。

演出 編集

沖田十三艦長の復活により、前作『宇宙戦艦ヤマトIII』で艦長に就任した古代進は、冒頭で多数の犠牲者を出してしまったことで引責辞任し、戦闘班長に降格している。

沖田艦長が蘇ることは事前に公表されており、ご都合主義との批判が多かった。劇中で佐渡酒造が自らの誤診を「全国の皆さんに坊主になってお詫びせにゃならんな」と発言するシーンがある。

古代がヤマトのパルスレーザー砲を高角砲と呼んだり、コスモタイガーIIの塗装がそれまでの銀色から大戦後期以後の日本海軍機色(濃緑色、明灰白色)等の変更、随伴して出撃した駆逐艦冬月」を始め、太平洋戦争末期の戦艦大和最後の出撃に随伴した艦と同じ、或は近い艦名が使用されている。

また、ヤマトが都市衛星ウルクに着陸して戦闘する描写は天一号作戦において大和が目指した自力座礁して陸上砲台となるという構想を基としている等、大和の水上特攻をモデルとする演出が多く見られ、ヤマトの最期であることが示されている。

時代設定 編集

前作『宇宙戦艦ヤマトIII』は制作当時の設定年代は西暦2205年(劇中のナレーションは西暦23世紀初頭と述べるのみ)であり、本作も制作開始当初は、前作の設定年代を守り[4]、西暦2205年とされていた。

しかし「昔のように感情豊かな古代をドラマで描きたい」[5]という理由で、西暦2203年に強引に変更された[6]。西崎は公式資料集にて、冒頭の銀河の大異変は『ヤマトIII』時に創ったガルマン・ガミラス帝国ボラー連邦を消し飛ばすために登場させたと述べており[7]、このことからも、西崎は『ヤマトIII』と『完結編』とがつながっていることを意識していることがわかる。

出典・ 脚注 編集

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 1990年代に、続編とされる作品として、OVAYAMATO2520』及び映画『宇宙戦艦ヤマト 復活編』が企画された。前者は未完となり、後者の製作も一度は中止されたがのちに再開、2009年に公開された。
  2. 前作「宇宙戦艦ヤマトIII」最終回でのテロップより。
  3. 豪華本スーパーデラックス版では「ヤマトから学ぶべきものはもう何もない」ので参加する気がまったくなかったことが記述されている。
  4. 少なくとも昭和57年2月アップのシナリオ案の段階では2205年表記である(「スーパーデラックス版‘宇宙戦艦ヤマト完結編’」のP76より)。この時点では、ディンギルの名がバルカンであるなど実際の作品とは異なる部分もあるものの、銀河の大異変が発生してガルマン、ボラー両国が壊滅、アクエリアスが接近するなどの基本部分はすでに出来上がっている。
  5. ここまでくると古代も雪も大人であり、艦を指揮する立場から感情をあらわにする演出は難しくなっていた。
  6. この変更のため、『宇宙戦艦ヤマトIII』の設定年代は資料により西暦2202年や2205年など記述が異なる。また、これ以外にも『ヤマトよ永遠に』で、赤ん坊だったサーシャが、僅か一年で成人になる、『ヤマトIII』のガルマン・ガミラス帝国が一年で建国したりなど、制作者の都合よる変更や都合のいい方に持っていく、ご都合主義的な演出が頻繁におこなわれ、結果として築き上げたリアルな世界観を自ら破壊するに至り、作品を支えてきたファンも激減していく事になる(宇宙戦艦ヤマトの放映と影響を参照)。
  7. 「スーパーデラックス版‘宇宙戦艦ヤマト完結編’」(ウエストケープ・コーポレーション)のP26より。銀河系内に2大国家が健在なままではやりづらいと述べている。

参考文献 編集

  • 「スーパーデラックス版‘宇宙戦艦ヤマト完結編’」(ウエストケープ・コーポレーション 1983)
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